チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)



………

……




フジヤマの運転する車は、丘の上の公園で停車した。

住宅街の中にある大きな公園で駐車スペースも多く、この辺りに住む人の癒しの場所だ。




「……フジヤマさぁ、よくその運転で捕まらないよね……」

「実は俺、この国の一番偉い人の孫だからなっ」

「あー、はいはいそうですかー」

「棒読みすんなよ」




ぐったりとする私に、フジヤマはニシシッと笑う。

うぅ……車酔いっていうか、めまいがする……。






「なぁなぁ咲良」

「なーにー……」

「お前さ、YUKIのことどう思ってる? あ、雪村 秀一の方のYUKIな」

「……フジヤマも、YUKIのこと『YUKI』って呼ぶんだ?」


「そりゃあ、アイツとの出会いはチャットだったから昔はそう呼んでたよ。
で、咲良はYUKIのことどう思ってんの?」




どう、って……。




「……メチャクチャ好き。 性悪な人だなって思うけど、それでも好きだよ」

「ん」

「……だけど、恋人とかそういうのは望んでない。
友達としてそばに居られればそれでいいの。 色々な話をして笑い合えることが、私の幸せだから」




フジヤマにニコッと笑いかける。

……だけどフジヤマは、座席を少し倒して車の天井部分をぼんやりと見ているだけだった。


ほんの少しだけ、無言の時間が訪れる。










「……YUKIもさ、お前と同じようなこと言ってたんだ」




ぽつり、フジヤマが言う。




「アイツは『サクラが幸せならそれでいい』って言ってた。
……今のお前とおんなじで、友達としてそばに居られりゃそれでいいって思ってるんだよ」