「おぉ、俺スゲー!! 2枚引いたら2枚とも大吉っ!!」
嬉しそうなフジヤマの声を聞きながら、私もおみくじを開く。
結果は……中吉だから、結構いいかもっ。
イトちゃんはフジヤマと同じで大吉、宇田川さんは小吉という結果になった。
私とフジヤマはおみくじを持って帰ることにし、イトちゃんと宇田川さんは枝に結んで帰るらしい。
その後、私たちは出店をテキトーに回り、すべてフジヤマの奢りということだったので思う存分楽しんだ。
フジヤマのお金が限界に来たところで、イトちゃんたちとは別行動となった。
二人はこのあともあちこち回るらしい。
いわゆる、デートというやつだ。
だから私とフジヤマは邪魔しないように退散し、二人を見送った。
「さて、お嬢さん。 これからどうする?」
「そりゃあフジヤマの奢りでもっとあちこちをー」
「この野郎、限界だっつーに。 暇なら家来るか? みんな居たし、喜ぶと思うけど」
クリスマスの日のみんなの笑顔を思い出し、あったかい気持ちになる。
お父さんやお母さん、YUKI、ユキ姉、フジヤマ。
みんなが私を受け入れてくれて、本当に嬉しく思う。
……でも、私は首を横に振って微笑んだ。
「今日はもう帰るよ。 人混みの中を移動して、結構疲れたから」
「俺 車で来てるし、送ってやろうか?」
「フジヤマの運転荒いんだもん、遠慮しとくっ」
あんな運転じゃなければ、是非ともお願いしたいところだけど……さすがにアレを思い出すと『よろしく!!』とは言えなかった。



