「あれ? 咲良と沢口さんって、知り合いなの?」
「あっ……えっと、その……ちょっとした知り合いデス……」
「えー、そうだったの!? もぉ、教えてくれたらよかったのにー!!」
……それはこっちのセリフだよー……。
イトちゃんこそ、どこでフジヤマと知り合ってたのさー……。
「沢口さん、こんな可愛い子と知り合いだなんて危険な香りがするなー? 奥さんに言いつけますよ?」
「コイツは俺の嫁の友達だから大丈夫」
「あ、なるほどー。 初めまして、宇田川 翔(ウタガワ ショウ)です」
ニコッと笑う宇田川さんに慌てて挨拶をして、名前を名乗る。
そのあと、宇田川さんの口からそれぞれの関係が話された。
「俺と沢口さんは同じ会社に勤めてるんだよ。俺はこの人より年下だけど、この人の先輩にあたります」
「うるせぇぞウタ。 俺の方が貫禄はあるぞっ」
「オッサンですもんねぇ、見た目も中身も。
あ、イトちゃんとは幼なじみなんだ。 同じ学校に居る宇田川 健二(ウタガワ ケンジ)って知ってる? そいつは俺の弟」
……あ、なるほど。
イトちゃんと宇田川さんは幼なじみで、フジヤマと宇田川さんは同僚、と。
……でも残念ながら、宇田川 健二さんのことは知らない。
同じ学年には居ないと思う……から、先輩か後輩かな?



