「俺らもそろそろ引き上げるかぁ」
お酒の最後の一杯を口に運び、フジヤマは立ち上がった。
そしてそのまま、躊躇うことなくユキ姉をお姫様抱っこ。
ユキ姉も全然イヤがってる感じじゃなくて、むしろ、フジヤマに身を任せちゃってる。
「シュウ、咲良にいたずらすんなよー?」
「しないよ、フジヤマじゃあるまいし」
「俺だってなんもしねぇっつーのっ!!」
そんなことを言い合いながら、YUKIとフジヤマは笑う。
その後、ユキ姉を抱えたフジヤマは部屋を出ていった。
残された私とYUKIは、相変わらず部屋の片付け。
ほとんど会話はなかったけれど、なんだかいい連携プレーで、あっという間に片付けは終了した。
「客間に布団の用意出来てるけど、咲良ももう部屋に行く?」
「んー……どうしようかな……」
今日一日色々なことがあって疲れたけれど、まだ全然眠くなかった。
なんだろう……修学旅行のお泊まりの時みたいに、妙に興奮してる感じ。
YUKIの家族はみんなそれぞれ自室に行ってしまったけれど、この家の住人じゃない私は、やっぱり興奮さめやらぬ、だ。
「まだ起きてるなら、俺の部屋来る?」
「……へっ?」
YUKIの、部屋……?



