フジヤマは早速お酒を飲み始め、上機嫌。
ユキ姉は病気のためか、かなりの小食だ。
それでも美味しそうにご飯を食べる姿は、見ているこっちが幸せな気分になってしまう。
YUKIはフジヤマと楽しそうに笑いながらも、結構ガツガツ食べている。
細い体つきなのに、意外だ……。
で、私はというと。
そりゃあもう、美味しく頂いちゃってますっ!!
「美味しいなぁ。 もぉ、幸せっ」
「スーパーで買ってきた安いオードブルだけどなっ」
「フジヤマうるさいっ。 せっかくいい気分なんだから邪魔しないでっ」
「んだとコラ、咲良めっ。 ジュースに酒混ぜるぞっ」
「そんなことしたらフジヤマのことぶん殴るからねっ」
と、23歳のオッサンと言い合うのもだいぶ慣れ、みんなでけらけら笑って夕食を楽しんだ。
「聞いてよ咲良ちゃんっ。 シュウったら『今日はずっと家に居る』って言ってたのに、知らないうちに居なくなってたんだよ?
もう私ビックリしちゃって、捜索願出そうかと思ったのっ」
……お酒は飲んでいないはずなのに、ユキ姉はまるで酔っぱらってるかのようにテンションが高い。
病気の方は大丈夫だろうか? と心配になるけれど、ユキ姉本人はもちろん、YUKIもフジヤマも全然気にすることなく笑っている。
「あのね、ユキ姉。 俺は気を遣って外に出たんだよ?」
「えー? 何に気を遣うのよー?」
「父さんも母さんも居ないんだから、フジヤマとの時間を楽しめばいいだろう?
なのにフジヤマは一人で買い出し行ってるし、今はこうやって俺たちと一緒にご飯食べてるし。
俺の計画丸潰れだよ」
「とか言うけど、サクラたちの予定が変更にならなきゃずーっとチャットしてたでしょ?」
「うん、それは否定しない」



