……YUKIは言った。私の気持ちには応えられない、って。
つまりそれって、私のことが嫌いだからそう言ったんだよね……?
それがYUKIの気持ちなら、私なんかがYUKIの隣に居ていいわけがない。
そう思いながらYUKIを見つめると……YUKIは、小さな笑みと共に首を横に振った。
「嫌いだったら声なんかかけないよ」
「え……」
「咲良のこと、嫌いじゃないよ」
そう言ったYUKIはとても優しい顔をしていて。
ゆっくりと私の髪を撫でたあと、また静かに歩き出した。
……嫌いだったら声なんかかけない、か……。
YUKIは、私のことをどう思ってるのかな……。
嫌いではないけれど、好きでもない。
だから私の告白を断った?
それとも、嫌いじゃない = 好き として受け止めていいんだろうか?
……まぁ、仮にそうだとしても、その『好き』っていうのは友達としてのものなんだろうけど。
悲しいけれど、恋愛としての『好き』じゃないのは確かだよね。
良くて『友達としての好き』で、そうじゃなければ『普通の友達』くらいだろうか。
……よくわからない。
私は、YUKIの言葉をどう受け取ればいいんだろう?
「咲良、大丈夫?」
「あっ……うんっ……」
少し先で待っていてくれたYUKIを追いかけて、慌ててその隣に並ぶ。
……深くは考えないようにしよう。
YUKIは今、私の隣で笑ってくれている。 友達として隣で笑ってくれている。
だったらそれでいい。
前みたいに笑えるのなら、それでいいんだ。
そう思いながら、YUKIに小さな笑みを見せた。



