「あ、あの……今日、桜子さんたちと会うんじゃ……?」
「あぁ……もしかして、チャット見た?」
「うっ……はい……ゴメンナサイ……」
しまった。
私ってば、また余計なことを……。
恥ずかしくて顔が真っ赤になる私に、YUKIはクスッと笑って首を横に振った。
「そんなに簡単に会える距離じゃないから、今日は会わないよ」
「……え、でも……」
「昼過ぎにまたチャットで話そうって言ってただけ。 でも予定変更になったんだ」
「そ、そうなんだ……」
そっか。
チャットで話そうって約束してたけど、予定が変わったから、誰もチャットには来なかったんだ。
……よくよく考えると、YUKIと桜子さんたちはリアルで会う関係なんだから、お互いの連絡先を知ってるのは当然だよね。
チャットで笑い合うのが常だとしても、急用があればメールや電話でそのことを伝えられる。
……私の知らないことが、山ほどあるんだ。
「咲良」
「えっ? あ、なにっ?」
「暇なら俺と一緒に来ない?」



