あの女の子は、あの人の恋人だろうか。

親しげに話をして、笑って、吊革に手が届かない女の子の手を、メガネの人は優しく握ってあげた。

……まさに、ナイスカップル。


いいなぁ。

あんな風に、私も男の子と楽しそうに過ごしたいな……。


そんなことを思いながら、ぼんやりとその人たちのことを見つめる。




急ブレーキのかかった電車は、また何事もなかったかのように動き出す。

ざわついていた車内も平穏となり、いつもの休日へと戻っていった。