先生がドアを閉めたのを確認したあと、YUKIに促されてベッドへと横になる。
YUKIは近くのイスに腰掛けて、慣れたように足を組んだ。
「あの人、面白い人だろう?
先生なのにグータラで、生徒がサボっても怒らないし、逆に受け入れてくれる。
だから時々ね、ここで休ませてもらってるんだ」
「そう、なんだ……。 私はあんまり保健室って来ないから、全然知らなかった」
……ていうか、高校に入学してから2年間、保健室には来たことがなかった。
間宮先生の名前と顔は知っているけれど、それ以外は全然知らない。
でもYUKIは、時々ここでサボっていたんだ。
「……3年生なのに、サボっちゃって大丈夫なの?」
ふと、気になったから聞いてみる。
今は12月で、YUKIはもうすぐ卒業……。
進路に影響が出るんじゃないか? と、思ったけれど……、
「もう卒業後の仕事決まってるから大丈夫」
……どうやら、既に就職先が決まっているらしい。



