「間宮先生、居ますか?」
そう言いながらドアを開けたYUKIは、すぐさま窓際のベッドへと向かった。
そこには保健室の主──間宮 圭太郎(マミヤ ケイタロウ)先生が居た。
……ていうか、先生のくせに寝てるし……。
「先生、彼女のこと少し休ませたいんですけど、いいですか?」
「おー」
メチャクチャ眠たそうな顔の間宮先生は、自分の髪の毛をグシャグシャにしながら私を見た。
「んで、名前は?」
「あっ……えっと、2年の朝比奈 咲良です……」
「オーケー、上行って先生に伝えとく。 雪村、お前もサボりか?」
私から視線を移した間宮先生は、YUKIを見ながらあくびした。
「担任の新野先生に、テキトーに言っておいてください」
「あいよー。 エロいことはするなよ? 俺の城で問題を起こされるのは御免だ」
「大丈夫ですよ」
ニコッと笑うYUKIと、相変わらず眠たそうな顔で手を振る間宮先生。
……二人は、結構仲がいいのかも……?
ていうか、『サボり』って……それを普通に言っちゃうし、先生もそれを認めてるって、アリなんだろうか……。
「2時間目には戻れよー」
「わかってますよ。 ありがとうございます」
「おー」
間宮先生はメモ用紙に私の名前とYUKIの名前を書き、それを持って保健室を出て行った。



