チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)



いつものように改札を抜けて、いつものように学校へ向かって歩く。

私の隣には雪村さん……ではなく、YUKIが居る。




「そういえば昨日、結局雑談しかしなかったね」

「え?」

「ほら、サクラたちのこと何も言ってないだろ?」

「あー……そう言われれば……」




チャットで知り合った。ということは聞いた。

でもそのあとはお互いの呼び名とか『敬語禁止』とか、学校のことを話すだけ。

YUKIが『大切な人』と言った人たちのことは、全然何も聞いていなかった。




「今日もチャットする?」

「……いや、もう夜更かしは……」

「だよね、そんな顔してる」




私を見て笑うYUKIは、本当に爽やか。

同じ時間を過ごしてたはずなのに、なんでこう、全然違うんだろう……。




「……羨ましい……ていうか、カッコイイ……」

「ん? 何?」

「あ、いやっ、なんでもないっ……」




慌ててパタパタと手を振る私に、YUKIは不思議そうに首を傾げている。




「どした?」

「全然何もっ!! 気にしなくてオッケー!!」

「そう?」

「YES!!」




妙なテンションで返す私に、YUKIはやっぱり首を傾げてる。

でも『まぁ大丈夫ならいいけど』と言ったあとは、前を向いて歩き始めた。


フゥ……バレなくてよかった。

『羨ましい』はともかく、なんで私『カッコイイ』なんて言ってしまったんだ。


自分でも全然意味がわからない。

寝不足って恐ろしい……。




「で、結局どうする?」

「……え?」

「サクラたちのこと、聞きたいんだろ?」