うわわっ……私ってば、ほんと馬鹿っ!!
黙ってれば気付かれなかったのに、なんでわざわざ自分で言っちゃうのー……。
咲良>すみません、実は見てました……。
……もうこれは、正直に言ってしまうしかない。
だって『見てません』って言ったって、『じゃあなんでユージのことを?』って言われたらお終いだ。
私が『ユージ』と言ってしまった瞬間に、雪村さんは気付いたっぽいし……。
うぅ……雪村さん、どう返してくるだろう……。
盗み見してた私のこと、怒ってるかな……。
YUKI>やっぱり見てたんだ。 咲良の言う通り、ユージがサクラの彼氏だよ
……あれ? 普通の返しだ。
もっとこう、色々言われると思ったのに……。
咲良>あの、怒ってないんですか?
YUKI>ん? 怒る?
咲良>私、盗み見してたわけですし……。
一生懸命に文字を打ち、Enterキーを押す。
フゥ……と一息ついた次の瞬間、画面にはもう雪村さんの言葉が……。
だから、速いですってばー……。
YUKI>誰でも閲覧可能な場所で話してたのは俺たちだし、『見られても構わない』と思ってるから大丈夫
YUKI>ていうか、相手がユージだからこそネカマしてたんだよ
……なるほど。
リアルで繋がりのあるユージさんが相手だからこそ、わざとネカマして話して笑って、楽しんでたんだ。



