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翌日。
朝は会わなかったけれど、帰りの電車を待ってる時に、雪村さんに声をかけられた。
「こんにちは」
「あー……どうも」
爽やかな笑顔の彼と、多分面倒臭そうな顔をしてるだろう私。
なんでわざわざ声をかけてくるのかなー……と思いながらも、それを直接言うことなくペコリと頭を下げる。
雪村さんは当たり前のように私の隣に立って、ポケットから携帯を取り出した。
「電車が来るまで、あと5分くらいだね」
と言いながら、慣れた手つきで携帯を操作している。
多分だけど、メールを書いてるっぽい。
「……彼女さんにメールですか?」
「え?」
「ほら、日曜日に一緒だった女の子……『サクラ』って呼んでた子にメールしてるのかなと思って」
すっごく仲がよさそうで、手を繋いでラブラブしてたあの子にメールを書いてるんじゃないか? と、思ったけれど……、
「あー……サクラは彼女とかそういうのじゃないよ」
「……え?」
……どうやら『サクラ』って子は、雪村さんの彼女ではないらしい。



