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その日の夜、私はYUKIの家に来ていた。




「じゃあ、二人は付き合うんだねっ」




嬉しそうに笑うユキ姉にギュッと抱き締められ、『さすが咲良だっ!!』と抱きついてこようとしたフジヤマに、私とYUKIがほぼ同時に蹴りを入れる。

で、お互いに『ナイス蹴り!!』なんて言いながらハイタッチ。

そんな私たちを見るユキ姉は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐにまた嬉しそうな顔をした。




「シュウも、そんな風に笑えるようになったんだね」

「え?」

「だっていつも大人ぶった顔してるじゃない。 一緒に居て笑ってても、どこか他人事のような感じでさ。
でも今のシュウ、凄くいいと思う。 凄く可愛いよ?」

「……なんで『可愛い』になるんだ」

「可愛いじゃん、ね? 咲良ちゃん」




満面の笑みのユキ姉を見ながら、YUKIを口を尖らせつつメガネの位置を直す。


……正直、メッチャ可愛いです。


年上なのに子供っぽくて、全然クールじゃなくて、人間味が溢れてる感じで、怒った顔で私を見てくるのも凄く凄くいい。




「ヤバい、可愛すぎるっ……」

「……なんでだよ」

「今までとのギャップがもう、ヤバいですっ!!」




『だよねっ!! いいよねっ!!』と興奮するユキ姉と握手を交わし、またYUKIを見る。



……呆れた顔で私たちを見るのはいつものYUKIだけど、隣に居るフジヤマにちょっかいを出されて蹴りを入れるYUKIは凄く子供っぽい。

最初は怒った顔をしていたけれど、フジヤマと話してるうちに段々と笑顔になって、砕けた感じが最高に可愛かった。