……え?
健二さんと仲良くしてる私を見て、ムカついてる……?
「それって……」
「宇田川と一緒に図書室に入ろうとしてたし、電車待ってる時もアイツの話ばっかりだったし」
「いや、あのっ……図書室に行こうとしてたのは偶然だよっ……!?
たまには本でもと思って行ったら、偶然健二さんも一緒でっ……!!
そ、それにっ……寝てる健二さんを図書室に放置して来ちゃったんだから、心配なのは当然だよっ……!!」
「その言い方が一番ムカつく」
「なっ……そんなこと言ったって、心配なものは心配でしょっ……!!」
「それじゃなくて」
「じゃあ何……!?」
全然意味がわからない。
いったい今度は、何にムカついてるんだ。
「あのさ、YUKI。 わかるようにちゃんと言って?
何が言いたいのか、全然わからないよ」
そう言った私を、座ったままのYUKIがジーッと見る。
そしてそのままボソボソと何かを言うけれど……全然聞こえてこない……。
「な、なんて言ったの……?」
そう聞きながら、YUKIの真ん前にゆっくりと腰を下ろす。
この距離なら聞こえるはず……だよね……?
「ねぇ、YUKI……?」
「だからさ、」
「うん」
「アイツのことは名前で呼ぶのに、なんで俺はいまだに『YUKI』なんだ? ってムカついてる」
え……?



