ポロリ、涙がこぼれ落ちる。
「YUKIの言葉、全部聞かせてよ……」
YUKIは真っ直ぐに私を見つめ、私も、涙を拭うことなくYUKIを見つめ続けた。
……予鈴が鳴り、始業時間が迫っていることを知らせている。
それでも私たちはその場から動くことなく、お互いの顔を見つめていた。
「……全部言ったら咲良の迷惑になる。 ていうか、傷つけることになると思う」
「もうとっくに傷ついてる。 だから大丈夫」
「……その繋がり方は変だよ。 でも……やっぱり俺は、咲良を傷つけてきてたんだな……」
空を見上げながら小さな笑みを浮かべたYUKIは、またため息をついたあと、ゆっくりと私を見た。
「俺は咲良が好き。 どうしようもないくらいに、好きなんだ」
「……え?」
……『傷つけることになると思う』と言ったあとの最初の言葉が、『好き』……?



