チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)



でも声を出したりすることは出来なかったから、そのまま健二さんに抱き締められたままそこに居るしかない。




『だけど……には……ない…』




……YUKIは、なんて言ってるの……?






「それ、俺に言うんじゃなくてあさひちゃんに言ったらいいんじゃない?」




健二さんが、そっと私の体を離した。

距離が遠くなってしまったから、電話の向こうのYUKIの声は完全に聞こえなくなる。




「1歩引くんじゃなくて、1歩前に出ればいいと思う」




その言葉のあと、健二さんは『うん』とか『そう』とか『あぁ』とか、そんな単語ばかりを並べていた。

そして、『じゃああとで』というのを最後に通話は終了。


私を見た健二さんは、ニコッと笑ってから頭を撫でた。






「きっと大丈夫」

「え……あの……」

「咲良ちゃんと雪村なら、絶対に大丈夫だから」




咲良ちゃん。

私のことをそう呼んだ健二さんは、ひらひらと手を振って去っていった。




「あっ……」




彼と入れ替わるようにやってきたのは、メガネをかけた男の人──紛れもなく、YUKIだった。