チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)



YUKIが、メガネをクイッと上げたあとに私を見た。




「宇田川なら咲良を幸せにしてくれるよ」

「……っ……」

「まだ付き合ってないのなら、付き合えばいいと思う」




そう言ったYUKIは、多分微笑んでいると思う。

だけど私は、その顔をしっかりと見ることが出来なかった。


だって、『付き合えばいいと思う』だなんて……そんなことを言うYUKIの顔なんて、見たくなかったから……。








「……私が好きなのは、健二さんじゃないよ」




周りの雑音にかき消されてしまうほど小さな声で言う。




「……私が好きなのは、YUKIだよ……?」




……だけどその言葉は、YUKIには届いていない。

YUKIは私の声に気付くことなく歩みを進め、私はゆっくりと歩みを止める。




「……YUKIの、馬鹿……」

「え?」




少しだけ離れた私を振り返って見たYUKIは、不思議そうに首を傾げている。

……私の声は、本当に何も聞こえていないんだ。




「……馬鹿って言ったの。 この、馬鹿っ」




今度はハッキリと聞こえるように言って、そのあとに、YUKIの肩をバシッと叩いた。




「先行くからっ。 バイバイッ!!」




その言葉とともに、私は走り出していた。