チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)



座ったあと、健二さんはカバンの中から数学の教科書を取り出し……それを開いた数秒後には、夢の中。

この人は、いったい何をしに来たんだ……。




「咲良、何 読むか決まってる?」

「あ、ううん全然。 YUKIはどうするの?」

「俺も決まってない。 暇だったからフラッと来てみただけ」

「そっか、私も同じ」




そんなことを言いながら、私たちはクスクスと笑う。

そして、そのあと。




「宇田川放置で帰っちゃう?」

「え?」

「たまには二人で電車に乗ろうか」




ドキッ……。


YUKI、凄く優しい顔してる……。

私たちはいつだって笑い合って過ごしているけれど、こんな風に優しく笑うなんて珍しい。




「えっと……あの……」




心臓がドキドキと大きな音を立てて、顔がだんだんと赤くなる。

うぅ……どうしよう……。




「あの……その……さすがに放置はアレなんで……健二さん起こして、みんなで電車に……」

「じゃあ、一応声はかけるけど。 でも、多分コイツは起きないよ」




健二さんの隣にそっと近づき、彼の耳元で何か言うYUKI。

健二さんはそれに少しだけ反応し、まるで『バイバイ』と言ってるかのように小さく手を振った。




「ということで、帰ろうか」




ニコッと笑うYUKIに手を引かれ、私は到着したばかりの図書室をあとにすることとなった。

……いったい何のために来たんだ、私。


そう思いながら、ただただ歩みを進めていった。