「健二さんは、本とか好きなんですか?」
「うん、好きだよ。 分厚い本はいい枕になるから」
「……いや、それはなんか、違う気が……」
「あさひちゃんは本 好き?」
「え? あー……漫画とかなら……」
「そっか」
ニコッと笑ったあと、健二さんは豪快にあくびをして、また目を擦る。
かなり、眠たそう……。
「昨日眠れなかったんですか?」
「うん、遅くまでゲームやっちゃった。 だから慢性的な寝不足」
「なるほど。 でも、高校卒業まであと少しなのに遊んでて大丈夫なんですか?」
「大丈夫 大丈夫、なんとかなるさー」
……楽観的だなぁ。
でも、もしかしたら健二さんもYUKIみたいに既に就職先が決まってたりして?
まぁそうだとしても、さすがに寝不足になるまでゲームするのはどうかと思うけどね……。
「あ、雪村」
と言う健二さんの声を聞き、ふと視線を前に向けると……そこにはYUKIが居て、ちょうど図書室のドアを開けるところだった。
「なんか、珍しい組み合わせだね」
「うん。 俺とあさひちゃん仲良しだからー」
「今日初めて会ったのによく言うよ」
クスッと笑うYUKI。
どうやらYUKIは健二さんから朝のことを聞いてるらしい。
『コイツはしょっちゅう血を出してるんだよ』と笑っていた。
その後、私たち3人は一緒に図書室に入り、同じテーブルを囲んで座った。



