「とりあえず俺は担任の先生に事情話してくっから、ソイツを見といて。
上を向いたら血が喉に落ちて固まって危険だから、下向かせて押さえとけよー。
いいな? ソイツはその状態でも寝るから、倒れないようにしっかり支えとけ」
「え、ちょ、先生っ!!」
……うわ。 行ってしまった……。
と、とにかく健二さんをイスに座らせて、止血をっ……。
「咲良っ、私 廊下で健ちゃんのお母さんに電話してくるからっ!!」
「なっ……イトちゃんまで行っちゃうのっ!?」
「すぐ戻るから健ちゃんをよろしくっ!!」
バタンッ と大きな音を立てて、保健室のドアが閉まる。
……マジですか。
私一人で、この人を見てなきゃいけないなんて……。
「……って、ほんとに寝てるしっ!!」
ティッシュで鼻を押さえてる私の手に身を任せてぐっすり寝るとかどんだけなんだっ!!
「もぉっ、健二さん起きてくださいよっ……!!」
「あと5……時間……」
「どんだけ寝る気ですかっ!!」
「うー……」
眠たそうにしながらも、なんとか私を見る健二さん。
もぉ……宇田川のお兄さんはシャキッとしてて素敵な人なのに、この違いはなんなんだっ。



