12月の、とある日曜日の夕方。

私は買い物帰り、一人で電車に乗っていた。


満員。 とまでは行かないけれど、電車内は遊園地帰りだろう人たちで賑わっていた。

みんな窮屈そうだけど、それでも自分のスペースを確保して立っている。

私もそう。


吊革を掴み、僅かながら自分のスペースを作り上げていた。

でも……。




キキーッ






……突然の、急ブレーキ。



私は吊革を掴んでいたから、なんとか大丈夫だった。


いや。

大丈夫だと、思っていた。