そんなオズヴェルドの様子を見て、考え込む人間がここに1人ーーー



オズヴェルド様がユノ様に対して好意を抱いていることは、なんとなくわかっていた。

しかし、それが恋になることはないとレヴァノンは思っていた。


オズヴェルド様は賢い方。

いずれ元の世界に帰ってしまうユノ様に恋などしても、叶わないのだから。

それにこのクロヴァローゼ国を背負っていくために、高貴な方と結婚しなければならない。

才能も人望もあって、容姿も完璧。そんなオズヴェルド様に嫁ぎたい人間は掃いて捨てるほどいる。


それなのに、何故そのような苦しい道を歩くのですか・・・?


レヴァノンの問いは、発せられることなく飲み込まれる。




主人の心を守るために。

傷がまだ浅いうちに。

早く、早く、ユノ様を元の世界に返さなくては・・・。


そう思い立ったレヴァノンは、独自でゆのがこの世界に来た理由を調査することにした。







オズヴェルド様は、異世界から召喚できるほどの能力を持つ者をずっと探しておられた。

なんのために召喚したのかは全くわからず、召喚した人間を探すのは骨が折れるような作業だっただろう。

王家と三大貴族以外の貴族も入れると、それなりの数になる。

ある程度は絞り込めたようだが・・・。


ユノ様がこの世界に来たのは、夢の中で等身大の鏡を触ったからだった。

詳しく聞くと、そこから手が伸びてきた、とも言っていた。


つまり、オズヴェルド様の絞り込んだリストの中から、鏡を使えるものを絞り込めばいい。


そうなると、男かーーー


頭脳派のオズヴェルドは、そうして考えを巡らせていた。