元々本好きなこともあって、物語にどんどん夢中になってしまい、ページをめくる手が止まらない。





記憶がないと分かって落ち込むアリアを慰めるオーマン。

居場所がない彼女に、城に住むよう誘ってくれる。

アリアは記憶を取り戻そうと画策するが、自分の記憶のヒントになりそうなものが、首からかかっていた懐中時計しかなかった。

オーマンは初代王なので、まだ権力が圧倒的ではなく、貴族の娘と結婚するようにとセッティングされた見合いだらけの毎日に疲れていた。

そんなオーマンにとって、見たことのない漆黒の髪と瞳を持つアリアは、自分を癒してくれる存在であった。

会話を重ねるうちにどんどん惹かれ合う二人ーーー

そんなアリアをよく思わない貴族から、アリアは幾度も命を狙われる。

もう守りきれないかもしれないと、オーマンは一度自分の手から手放そうとしてしまう・・・。

悲しみにくれたアリアは、オーマンへの一途な愛と報われない恋への嘆きを夜空の下で歌を歌った。

その歌は、たまたま部屋のテラスに出ていたオーマンの耳にも届く。

溢れんばかりのアリアの想いと切なさとがせめぎあって、オーマンの頬に涙が伝うーーー

オーマンはその歌を聴いてアリアと結婚したいという想いを強めた。

記憶がなく身寄りがないアリアとの結婚に周囲は大反対する。

そのとき響き渡るアリアの聖なる歌声ーーー

人々はアリアの想いの深さに胸を打たれて、二人の結婚を認める。