「どういたしましたか? オズヴェルド様」


レヴァノンだと思われるその人は、部屋に入るなり右手を左胸にあて頭を下げた。

流れるような金髪の髪が腰まで垂れていて、中性的な美しさを感じる。
声の感じから、男性であることがわかった。


「夢の中から来たらしい! これはどういうことだ?」


男は相当慌てているようだ。


「落ち着いてください。オズヴェルド様」

「いや、落ち着いていられるか! つまりユノは、異世界から来たということだろう?」

「・・・ユノ? 貴女様は、ユノ様というお名前なのですね?」


レヴァノンの持つ金色の瞳が言葉の丁寧さとは裏腹に、ユノを射抜いた。


「・・・そうです・・・」

「私は、レヴァノン・セドリーと申します。オズヴェルド様にお使えしています」

「オズヴェルド、様・・・?」


会話の流れから、自分を抱きしめていたリンゴのように赤い髪、チョコレートのような瞳を持つこの男がオズヴェルドであることは理解できた。


しかし、〝様〟というのはーーー?

それに、異世界から来たってどういうことーーー?




「オズヴェルド様。ユノ様は、全く状況を把握していらっしゃらないように見受けられますが」

「ん? ああ、まずは名前を聞いてから話そうと思ったんだが、夢の中から来たって言うから・・・」

「分かりました。最初に私を呼んで頂けたことを、嬉しく思います」


そう言ってレヴァノンは、ゆのを見据えた。