「ユーノ!」

「テト!」


最近本当に頻繁にテトはゆのの部屋を訪れるようになった。

しかもオズヴェルドが仕事のときを狙ってきているから、鉢合わせたことはない。

しかし、テトが足繁く通っていることはオルフェによってオズヴェルドに筒抜けーーー

オルフェからは、自分の側室の部屋に他所の男が通っているのに、オズヴェルドは何故止めないのだろうと疑問に思っていた。








「・・・元気がありませんね。テト様のせいですか?」


公務が進まないオズヴェルドを見兼ねたレヴァノンは声をかけた。


「っ!・・・いや、違う・・・」


そんな否定は建前上だ。

オルフェからテトがゆののところに通いつめていると聞いて、オズヴェルドは気が気じゃなかった。

俺の側室だ!と言えたら、どれほどよかったかーーー

厳密にいえばゆのを保護しているだけ。


「レヴァノン。正直に答えろ・・・テトは何故、ユノの部屋に通っているんだ?」

「本当の理由は存じませんが、ミーシャの話を聞く限りでは・・・テト様はユノ様を妹のように思っていらっしゃるのではないかと・・・」

「妹・・・」


そうなのだろうか。
実際に2人が会って話しているところをオズヴェルドは見たことがない。


「テトは、俺が仕事のときに必ずユノの部屋に行く・・・。これは気のせいではないな?」

「それは・・・」


レヴァノンには返す言葉がない。


「次の仕事の時間を15分でいい、ずらしてくれ 」


オズヴェルドは立ち上がり扉に向かって歩き出す。


「ユノの部屋に行ってくる」

「オズヴェルド様!」


レヴァノンの声を無視し、オズヴェルドは部屋を出た。