オズヴェルドとレヴァノンが出ていくと、ミーシャは早速行動に出た。
ゆのが元気なときは、オズヴェルド様とお話しているときだと感じている。
でも、そのオズヴェルド様はお忙しい。
だったらーーー
ふと蘇るのは、ゆのが図書室のテラスで楽しそうにしているところ。
そうだ! あの方をお呼びしよう!
思い立ったミーシャは、扉の外に立っていたオルフェにお願いごとをした。
「・・・ここを離れることはできない」
「でも、オズヴェルド様はユノ様が元気になるようなことをしてほしいっておっしゃいました! ユノ様のためにもお願いします!」
深々と頭を下げるミーシャを邪険にはできなかったオルフェは、鍵をかけとくようにと伝えると足早に去っていった。
ユノ様はまだ目覚める様子がない。何故こんなことになっているのかの説明もない。異世界から来た、漆黒の髪と瞳を持つ、美しい少女。オズヴェルド様の側室となられても、威張ったりすることもせず謙虚な方。
ミーシャはユノのことを心から好いていた。
「早く元気になってください・・・」
そう祈るミーシャはとても健気だった。
ーーーコンコンッ
しばらくすると、聞こえたノックの音。
ミーシャは急いで扉に近づいて開けた。
ーーーガチャッ
「ユノは?」
第一声がそれでも、ミーシャは気にしなかった。
「あちらのベッドでお休みになっています」
