「・・・確かめないことにはわかりませんが、やはり観賞用と言う言葉が気になりますね・・・」

「やはりそうか」

「はい」

「ユノを誰がこの世界に呼んだのか、まだわかっていない。こんなに傷ついてしまうなら、これから先、側室としての立場はキツいんじゃないだろうか・・・」


オズヴェルドが一人の女性をこんなに心配しているのを見るのが初めてだったレヴァノンは戸惑った。


オズヴェルド様は、もしやーーー?
いや、ユノ様はいつか御自分の世界に帰られることをオズヴェルド様も理解しているはず。
私の杞憂なのだろう・・・。


「もう城の多くのものが側室の存在を認識しております。ユノ様には我慢していただくしか・・・」


もどかしい思いを抱えたような顔をしたオズヴェルドは、そっとユノの頭を撫でた。


「カルディア様は、相手は誰でもいいから王子妃になりたいとお考えのご様子・・・。オズヴェルド様も十分気をつけてください。クレア王妃があれ以来ユノ様に会わせろと言ってこないのも気になりますし・・・」


問題は山積みだ。
ひとつひとつ解決していかなければ・・・。


「・・・そうだな。用心する」



ゆのが心配だが仕事があるオズヴェルドは、ミーシャを呼んだ。

もちろん、あの小型の鏡で。


「ミーシャ、ユノが目覚めたら教えてくれ。それからユノが元気になるようなことを何かしてほしい」

「わかりました。何か、というのは私が考えていいのですか?」


ゆのが元気になることが思いつかないオズヴェルド。


「お前に任せる」


この一言を後でオズヴェルドは後悔するのだが、今はまだ知らない。