カルディアが出ていくと、オズヴェルドはゆのを抱いたまま立ち上がり、そのまま窓辺まで行って近くのベッドにそっと横たえた。

そして小型の鏡を出し、小声で話しかける。


「レヴァノン、話がある」



ーーーコンコンッ


「失礼いたします」


近くにいたのだろうか?

レヴァノンが部屋に来たのはとても早かった。


「ユノが倒れた」

「・・・少々失礼します」


レヴァノンには医学の心得があり、患者を見ることができるのだ。


「・・・どうだ?」

「異常はありません、オズヴェルド様。しかし、顔色が悪いですね・・・。一体何が?」

「カルディア嬢が来た」

「またですか」

「そうだ。それで・・・ユノが異世界から来たという理由で、蔑むような言動を取った。・・・観賞用か、とカルディア嬢が聞いたとき、ユノが倒れた」

「観賞用・・・」

「なぜユノは意識を失ってしまったんだ?」


身体に異常はないと知って少し安心していたオズヴェルドだが、その疑問は消えない。


「・・・おそらく、身体的な理由ではないのなら、心理的な理由でしょう。カルディア様の言動の何かがトリガーとなったのだと推測されます」

「・・・カルディア嬢の言動・・・」

「失礼ながら、もう少しお話の内容をお聞かせ願えるのなら、具体的な理由が解るかもしれません」


そう言うレヴァノンをチラリと横目で見ると、オズヴェルドは事の一部始終を話し出した。