「ユノ!?」


オズヴェルドの肩に顔を埋めている。


「えっと・・・あの、恥ずかしくて・・・。こうすれば顔が見えないと思って・・・」


可愛らしい言葉が聞こえる。


そのままオズヴェルドは、ゆのをぎゅっと意図的に抱きしめた。

細い身体、漆黒の髪から漂う香り・・・その全てに酔ってしまいそうだ。



思っていたよりもたくましい腕の感触、お日様のような香り・・・ゆのもオズヴェルドの腕の中を堪能していた。

どきどきするだけじゃなくて、安心出来る腕の中。

どうしてーーー?

わからないけれど、離れたくない・・・。

ますますぎゅっと抱きついてくるゆのに、オズヴェルドは我慢が出来なくなってきた。


「ユノ・・・」


ーーーコンコンッ


ビクッと反応する小さな身体。

離れてしまえば、もうこのような状態になることはない。

部屋に響いたノックの音は、2人の甘い時間の終わりを示していた。


ーーーコンコンッ


部屋の主であるユノも、オズヴェルドでさえも返事をしないから、また扉が叩かれる。


ーーーコンコンッ


「オズヴェルド様。ご来客です」


オルフェの声だ。


ーーーちゅっ

ゆのに気付かれないように、そっと頭にキスを落として、オズヴェルドはゆのを抱く腕を緩めた。

そのまま手を差し出して、立ち上がらせる。


「誰が来ているんだ?」

「カルディア・キッシュ嬢です」