それから1時間後ーーー


ーーーコンコンッ



「はい」

「ユノ、ただいま」

「オズ、おかえり」


オズヴェルドがゆのの部屋に来た。


「テトが部屋に来たんだって?」


オルフェに聞いたのだろうか。


「うん、来たよ。オズが言うとおり、とってもいい人だった」


あまりにも嬉しそうな顔をゆのがするから、オズヴェルドは不審に思った。


「テトと・・・何を話したんだ?」

「オズの話とかしてくれたよ」

「俺の話?」

「うん!とっても2人が仲良しだってわかった!」

「そうか・・・」


それだけじゃないような気がするのだが、上手く聞けないオズヴェルド。


「あのね、オズ。いきなりテトが来たものだから、病気の振りするの忘れちゃって・・・、オズ?」


今、テト、と呼んだのか?


ユノは確かにみんなのことを呼び捨てで呼んでいる。しかし、テトは今まで女性に呼び捨てで呼ばせたことはなかったはずだ。


「ああ、すまない・・・。テトはクレア王妃の使いで来たのか?」

「うん、そうみたいなの・・・」

「それなら、あと1週間も病気の振りをするのはかえっておかしいな。あと2日にしよう」

「ほんと? 嬉しいっ!」


とても嬉しそうなゆのを見て閉じ込めてしまったのを後悔しそうになるが、これもゆのを守るためだ。


「オズ、もうクレア王妃にも私が異世界から来たってテトが話すだろうからバレちゃうし、もう閉じ込められるのは嫌なの。いずれみんなにバレること・・・。2日後からは、城の中を自由行動してみたいの・・・。だめ?」


その下から覗き込むような可愛い質問の仕方はやめてくれ。断りにくいじゃないか・・・。


「悪いが、ユノ。それじゃあユノを守れない」

「オルフェと一緒に行動するから!・・・それでも、だめ?」


そんなこと言われたら、ダメだと言えない。


「・・・わかった」


こうしてゆのは、2日後からの城の中での自由を手に入れたのである。