「驚きました・・・。オズ兄様の初めての側室の方が、異世界の方なんて・・・」


やはり、ゆのの髪と瞳を見つめていたようだ。

この国では見ることのできない、漆黒の髪と瞳。
色白の肌がよく映えていて、美しい。
テトの心は、今までになく激しく動いていた。


「ベッドの上からでごめんなさい。私は異世界から来ました。ゆの・柊と申します」

「いえ・・・お構いなく。ユノ様というお名前なのですね」

「はい。えっと・・・今オズはいないんですけど・・・」


困ったようにテトを見るその顔もまたテトの心を掴んだ。


「今日はオズ兄様ではなく、ユノ様に。急ではありますが、お見舞いに参りました」


爽やかな笑顔を見せるテト。


「わざわざありがとうございます。あの、私のことは、ゆの、でいいですよ?」


テト様は王子様だし、私よりは年上だろうし・・・。


「それに、テト様が私に対して敬語を使う必要なんてありませんよ・・・?」


オズヴェルドも可愛い弟だと言っていたし、堅苦しいのは嫌だ。


「それなら・・・ユノ、と呼ぶよ?」


軽く顔を傾けたその表情さえ様になっている。


「ただし、ユノも私に敬語は使わないでね」


ニコニコと笑う顔に親近感を感じた。


「でも・・・」

「私は18歳なんだ。ユノは?」

「私は16歳」

「歳も近いし、仲良くしよう」


握手を求められ、ゆのは優しくその手を握り返した。