オズヴェルドとオルフェ以外ゆのの部屋をノックする人はいなかった。

ミーシャやレヴァノンは、オルフェが仲介役になるからだ。

でもオズヴェルドはさっき出ていったばかり。

誰なのだろう・・・?


ーーーコンコンッ


しばらくしてまたノックの音が響く。知らない人だったら困るので、病気の振りをするためにゆのはベッドに横になってから返事をした。


「はい・・・どうぞ」




ガチャッーーー




姿を見せたのは、肩まである美しい銀色の髪に爽やかなブルーの瞳の男。


「初めまして。私はクロヴァローゼ国の第5王子、テト・ネイティ・クロヴァローゼと申します。体調が良くないと聞いてお見舞いに参り」


そこで男は目を見開いたまま、動かなくなってしまった。

ゆのはゆので、あの噂のクレア王妃の息子であるテトが部屋に来たので、どうしていいかわからない。


「・・・あのっ、テト様・・・?」


そっと呼びかけると、意識が戻ってきたようだ。


「すみません。つい・・・」


ブルーの瞳の目線の先は、私の顔・・・?