「俺は見す見す殺されたくない。そしてお前も、傷付けさせないから・・・」


異世界から来た孤独な私の面倒を見てくれた人。

行き場のない私の居場所を作ってくれた人。


「私はオズを信じています」


そう言えば、嬉しそうにオズヴェルドは笑った。



食事も進み、これからデザートというときにオズヴェルドは手を止めた。



「ところで・・・。ユノ、寂しくないか?早く元の世界に帰りたいだろう?」



帰りたくない、あんな世界。


もしそう言ってしまったら、優しいこの人はどんな反応をするのだろう?

優しいチョコレート色の瞳が、自分を拒絶するのが怖い。

元の世界に帰るまでと期限をつけて側室にしてもらったのに、本当の気持ちを吐露してしまえばこの居心地のいい環境が失われてしまうとゆのは思っていた。


「帰りたいけど、寂しくはないですよ? オズもミーシャもレヴァノンもオルフェも、みんなよくしてくれていますから」


今見せている顔は、笑えているだろうか?

オズヴェルドに嘘をつくのは心が痛んだが、これは誰にも明かせない秘密の本音だ。


「そうか・・・」


オズヴェルドの顔が暗い。

私ちゃんと笑えてなかった?

嘘ついてごめんなさい・・・。


「デザート食べましょう!おいしそうです!」


話を変えることしかできない私を許して。