ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜


ゆのはゆっくりと目を閉じた。


今、自分の胸に巡る感情を。

言葉で、メロディーで。

歌にして紡ぐーーー。



♪『傷付けるためだけの言葉ならいらない
寂しさで濡れる心はあなただけじゃない
冷たい翼を休めて 安らかに
清らかな瞳 煌めくために
答えはわかっているはずよ
真実に敵う嘘などありはしないのだから』



響き渡るソプラノ。

空気が浄化するのを感じるほど、美しい歌声だ。



ゆのがそっと目を開け、カルディアを見つめた。



カルディアは、涙を流していた。



「申し訳ありません・・・。私は嘘をついていました・・・」


ざわざわと裁判所内がざわめく。


「・・・どういうことだ?」


ホルンが疑わしげにカルディアを見た。


「全て私の罪です。彼女は悪くないっ・・・。私が、私がクレ」


そこまで言ったとき。


「黙れ。お前の罪は私が決めよう」