ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜


歌わせればいいーーー

それは確かにそうだ。
先程の胸騒ぎはコレか。


ホルンもはっとしたような顔をしてこう言った。


「それは・・・確かに。証拠があれば、どちらが嘘をついているのかハッキリする」


皆の目線がゆのに集まった。


「それなら・・・歌います・・・」


ゆのがそう言ったとき、カルディアはほくそ笑んだ。


あの小娘に歌の力があるのは紛れもない事実・・・。
歌わせてしまえばこちらのもんよ。


「では、歌っていただけますかな?」

「はい・・・なんの歌がいいか、ご希望はありますか?」


ゆのは覚悟を決めたような顔をしている。


「レヴァノン・・・歌ってしまえばユノは・・・」

「何か策があるのではないのですか?」


オズヴェルドはゆのを見つめたが、何も読み取れなかった。


「なんの歌でもいいですよ。カルディア、異論はあるか?」

「特にありません」


さあ、早く歌え。
歌って自らの歌の力を出せ。
そして滅びろ。

カルディアの負の感情が溢れ出した。