「皆も知ってのとおり、私はクロヴァローゼ国の第2王子だ。鏡の力もある。だから簡単に操られたりしない。よって、私の発言をユノが操作するということは不可能だ」
オズヴェルドの力強い言葉に、傍聴席の人間の心が動くのをホルンは感じた。
「しかし、あの小娘の力がどんなものかわからないとそれは証明できません!」
被告人席から声をあげたカルディアに、ホルンは冷静に対処した。
「被告人、証言台にいないときは発言を慎むように」
「・・・はい」
ユノにはなんの力もない、と証明出来なければ、カルディアは無罪となってしまう・・・。
それは、疑わざるは罰すべからず、という原則によるものだ。
「小娘を連れて参れ!」
鋭い声が響いた。
「クレア王妃・・・!」
オズヴェルドが振り返ると、クレア王妃の姿が見えた。
姿を隠してカルディアの裁判を見ていたのだ。
「レヴァノンの予想通り・・・か」
カルディアの裁判結果は有罪で、その量刑を決めるためにユノの裁判を行わせる流れにする予定だった。
しかし、カルディアの発言のせいで、有罪に持ち込めるかどうかも怪しくなってきた。
せめて、ユノの無罪だけは獲得しなければ!
