オズヴェルドが王位継承権第1位を得たことも知らないまま、ゆのは部屋に用意されたベッドに腰掛けていた。

部屋をぐるりと見渡す。

清潔感はある。

でも・・・

後宮にありそうな、女性用のドレッサーや鏡、クローゼットなどは一切なかった。

そして、厚く覆われたカーテンをどけて見て絶句した。


「なに、これ・・・!?」


窓はあった。

しかし、その先には鉄格子がはめられていたのだ。


「なんで!?」


窓の鍵を外そうとゆのは手をかけた。


ーーーガタガタッ


動かない。

窓の鍵も開かない。
開いたとしても鉄格子がある。

反射的に部屋のドアへと走り寄った。

囚われの身だ。開かないことは頭の片隅ではわかっていたが、思わず確かめずにはいられなかった。


ーーーガチャガチャ


開かない。


「やだっ、やだっ、オズヴェルドっ・・・」


自分ではどうしようもない力に押さえつけられる環境。

ゆのはフラッシュバックを起こしてそのまま床に倒れ込んだ。