少しの間、ブルーの瞳を宙に漂わせ、口を開いた。


「オズ兄様は、王位継承権に興味がないとお聞きしました・・・。私はそうではありません。意欲で考えれば、オズ兄様より私の方が適任かもしれせん」

「テト、それは真か?」

「はい」


クレア王妃に問われたことをテトが肯定したことで、人々のざわめきが大きくなった。

確かに、王位継承権に興味はなかった。

しかし、王位継承権がテトのものとなれば、ユノを奪われてしまうかもしれない。

クロヴァローゼ国のことではなく、私的なことで王位継承権を欲することが浅ましいことは分かっている。

それでもーーー


「私は第二王子であり、いつかは第一王子であるアレン兄上が元気になると信じておりました。ゆえに、王位継承権には興味がないと言っていたのです。兄上がなくなった今、このクロヴァローゼ国を引っ張っていきたいと心から思っております」


オズヴェルドの力強い言葉に人々は歓声を上げた。

もともと人望があるオズヴェルドだ。

これだけの人の前で大々的に宣言すれば、王位継承権を得たも同然。


「クレア王妃様。国民の歓声をお聞きになったでしょう? 今ここで、オズヴェルド様に王位継承権第1位を認めてください」


たたみかけるようにたんたんとレヴァノンは言った。