「厳粛に行われるはずの送りの儀式を乱したものは誰だ!」
クレア王妃の声が響きわたり、部屋が明るくなった。
倒れ苦しむカルディアとゆのを抱きしめたオズヴェルドを中心に人々が広がっていた。
「これはまずいな・・・」
「そこの3人を捕えろ!」
その一言では兵隊たちが押し寄せる・・・が、しかし・・・。
「おい! あれはオズヴェルド様だぞ」
「捕らえていいのか!?」
「まず俺たちじゃ捕らえられないだろ」
そんな声がゆのの耳にも聞こえた。
「なにをしておる!」
「失礼ながら、クレア王妃様」
この声は!
人垣をかきわけて進み出たのはレヴァノンだった。
「ここにいらっしゃるのは、第2王子であられるオズヴェルド様並びにご側室のユノ様。それからカルディア・キッシュ嬢でございます。捕らえるなどできませんでしょう?」
「送りの儀式を乱したのだぞ」
「それだけのことでは罪になりますまい。それよりも、ユノ様の時計を盗んで壊そうとした罪を裁くべきです」
