「ユノ様もご準備いたします」
「え? 私も?」
突然会話を振られて驚いた。
「オズヴェルド様のご側室ですから」
「ユノは兄上とは面識がない。無理に」
「オズヴェルド様。全てお話にならなくても、ある程度のことはわかります。いずれ正妃にとお考えなのならば、ユノ様にはご出席していただきます」
有無を言わせないレヴァノンにオズヴェルドは反論できなかった。
「あの、邪魔にならないようにするから、出席したい・・・。オズのお兄様だもの」
「ユノ・・・」
私が横にいることで、オズにとって何かが変わるかどうかは分からない。でも、独りで抱え込んだりしてほしくないから・・・。
「ミーシャを呼びます」
それからすぐミーシャが来て、ゆのの準備を手伝ってくれた。
「送りの儀式ならば、ドレスは黒ですね」
そう言いながら、ミーシャは肌が見えない黒のドレスを引っ張り出した。
「アレン様ってどんな人だったの?」
「・・・生まれつき不治の病だったと聞きました。身体が弱かったため、オズヴェルド様もあまりお会いしたことはなかったと思います」
「そうなんだ・・・」
兄弟なのに。王族とはそのようなものなのだろうか。