それからのオズヴェルドは、どこか吹っ切れたようだった。

クレア王妃に利用されるかもしれないから距離を置く・・・。それはいずれ来るゆのとの別れへのステップでもあった。

しかしゆのから元の世界に帰りたくないと言われ、少しの間でも離れたくないと強く思う。


「オズヴェルド様? 何故ユノ様と一緒にいるのですか?」


レヴァノンから厳しい目線を受けてもオズヴェルドは気にしなかった。


「ユノは俺の傍に置いておく。クレア王妃に利用されないように俺が守る。問題ないだろう?」


呆気に取られてレヴァノンも何も言えず、その場にいたミーシャは顔を真っ赤にした。


「オズっ」


ゆのは恥ずかしがって袖を引っ張るが、オズヴェルドはただ笑うだけだった。


最近のオズヴェルドは甘い。気になっている人に守ると言われて、ときめかない女の子はいないだろう。

オズヴェルドの傍にいるとドキドキして安心できて・・・これは好きという気持ちではないかとゆのは自分の気持ちに気付き始めていた。

それでもこれからどうなるかわからない不安から打ち明けられずにいる。

ただひたすらに甘いオズヴェルドとの時間に酔いしれていた。