ゆのを気絶させたオズヴェルドは、小型の鏡を使ってレヴァノンとハジを呼んだ。


「今すぐ来い」

「しかし、オズヴェルド様。鏡の部屋の場所を我々に明かしてはなりません」

「事態は急を要する」


緊迫した声に反論出来なくなり、2人にここへの入口を教えると連絡を経った。

いつもより上手く力を使えないのは、等身大の鏡にヒビが入ってしまったからだろうか?




しばらくすると、秘密の部屋の入口に人の気配を感じた。

扉の開け方までは教えていない。

オズヴェルドは中から扉を開け、2人を招き入れた。


「すごいな、この部屋・・・。流石王族ともなると、こんなに鏡を守るレベルが上がるのか・・・」


ハジが感心したように呟く。


「オズヴェルド様。先程は教えていただけせんでしたが、緊急の事態とは・・・?」

「この部屋にゆのがいる」

「え?」
「はい?」


二人とも驚きを隠せないでいる。それはオズヴェルドとゆのが一緒にいないよう諭したからであり、本人も渋々ながら納得していたからだ。

オズヴェルドについて行き歩みを進めると、まず最初に鏡が目に付いた。


「これは・・・」


鏡はとても頑丈で、簡単には割れないように特別な加工がされているはずなのにーーー