「ユノ様!」


大きな声で呼ばれて振り返ると、オルフェがいた。


「どうしたの・・・?」

「大丈夫ですか!?」

「う、うん・・・?」

「レヴァノン殿が探しておられます。さぁ、早くこちらに」


促されて歩き出すが、足がもつれる。

その様子を見て、オルフェは困ってしまった。

抱き抱えるのが早いが、この方はオズヴェルド様のご側室・・・。そんなことをするのは恐れ多い。


「ユノ様・・・」

「ごめん、オルフェ・・・。歩けそうにないみたい・・・」


どうすればいいのか迷う。

ユノ様と一緒に待機するか、ユノ様を休ませて自分がレヴァノン殿を呼びに行くかーーー


コツコツーーー


足音が聞こえてきた。


ゆのは顔をあげて、誰なのか見極めようとする。

遠目でもわかる、グレーの髪。


「ハ、ジ・・・」

「探したよ、ユノ」


コツコツとゆっくりながらも近付いてくる。


「ハジ殿はレヴァノン殿に頼まれてこちらへ?」

「いや、オズがね」


苦笑しながらゆのを見たハジは顔色を変えた。


「ユノ、君は・・・」

「具合が悪い、みたいなの・・・」


心理的不安に睡眠不足ーーー

それだけじゃないな。歩行困難、滲み出る汗・・・


「・・・何か盛られたな」