テトはオズヴェルドに負けないくらい綺麗な顔立ちなのだ。
・・・至近距離は、つらい。
テトはゆっくり歩いて、優しくソファーに降ろしてくれた。
「 『交わされる約束』のことなんだけど・・・」
やっぱり。薄々感づいてはいたけれど、その話だったんだ・・・。
「あの話はね、ファンタジーとして扱われているけど、この国の昔話でもあるんだ」
ゆのの隣にそっと腰掛けて、テトは言う。
「あの最後の、鏡と時計を贈り合う場面あるでしょ?」
テトは胸元のポケットに手を入れて、ある物を取り出した。
「小型の鏡・・・!」
「そう。この国ではね、生まれたときに男なら鏡を、女なら時計を用意するんだ。そして肌身離さず持ち歩かせる。だけど、等身大の鏡は持ち歩けないでしょ? だから代わりに小型の鏡を持ち歩くんだ」
「その鏡には、何か特別な力があるの?・・・テト、その鏡に向かって話しかけていたし・・・」
「鏡はね、使える者と使えない者がいるんだ。それは生まれ持った力・・・。私たちはこの鏡を連絡手段として使ってる」
その原理はよくわからないが、クロヴァローゼ国の伝統は理解できた。
「ユノはね、誰かの等身大の鏡を使って召喚されたんだと思う。時計では召喚できないからね。それと、異世界から召喚するのが女なら時計を、男なら鏡を用意しないといけないんだ」
「・・・?」
「ユノ、夢の中で時計を持ってたりしなかった?」
