ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜


歩くのが速すぎて、足がもつれる。


「あっ」


転けそうになって、目をつぶって地面への衝撃に備えた。


「ユノ!」


テトの右手が伸びてきて、私のお腹を支えてくれた。


「少し早く歩きすぎたかな・・・。ごめんね、焦ってるみたいだ」


そう言うと、テトはゆのを抱き上げた。


これって、お姫様だっこじゃない!


「テトっ、降ろして!」

「抱えた方が早いんだ。もうすぐ着くから大人しく掴まってなよ」


間近で見るテトの顔は綺麗で、だけどいつもは優しいブルーの瞳だけがなんだか怖い。

どこに連れていくつもりなんだろう・・・?

まだ城の中に疎いゆのは、ここがどこであるかもわかっていなかった。

テトのコツコツという足音だけが廊下に響いて、使用人の姿さえない。


「人払いをしてあるんだ・・・ここだよ」



ーーーガチャッ


扉を開けて中に連れられた。


「ここは・・・?」

「私の部屋」


驚いてテトの顔を見る。

テトも私を見ていたようで、ばっちり目線があって気恥ずかしい。

パッと顔を背けると、クスッと笑う声がした。


「ユノ、恥ずかしいの? ・・・耳が赤い」