時間が短く感じる。
やがて夕方になり、
夕食になる。
「昨日、舞さんがお母様の作るカレーを僕に作ってくれてすごく美味しかったです」
「あら、舞、ちゃんと作れるものがあって良かったわねぇ」
「う…。
あたしだってなんとなくなら作れるんだよ?」
なんとなくなら、ね!
「じゃぁ、今日も舞に私の味を教えなくちゃね」
うんうんと頷く渉に睨みを利かせて、
あたしはお母さんとキッチンへ。
「ハンバーグ作るわよ~」
気分ノリノリだ。
「舞、また遊びに来てね」
「うん、来るよ、絶対!」
「辛くなったらいつでも帰っておいで。
抱き締めてあげるから」
「お母さん…」
「舞はいつまでも私の子どもよ~♡」
涙が滲んで視界がぼやけた。
そのせいか、ハンバーグの形がいびつになってしまった。

