いつものキングサイズのベッドまで あたしはお姫様抱っこで連れて行かれた。 少し前、 同じことをされた気がする。 たしかその時思い出したんだっけ。 昔、会った王子様のこと。 「舞」 見下ろす目は 優しさと獣みたいな鋭い目。 それにあたしは胸が高鳴るような そんな感覚。 「……王子様」 ポツリと言った一言に渉は反応した。 「昔、俺もお姫様に会った。 東雲舞っていう可愛いお姫様に」 フッと笑い ちょっとクサい台詞。 渉が言うから似合っちゃう。