舞side


帰り道は手を繋がずに歩いた。


電車の中はいつも通りの人の量。


多くなければ少なくもない。


「今日ははしゃぎすぎたー」


「冬なのに、寒さ感じなかったしね」


「それは俺の心が温かすぎて、
周りの気温までもが上がっちまうからなー」


「なにそれ」


そんな冗談に笑って、

降りる駅に着いた。


改札口を通り、
待ち合わせ場所の駅前。


あたしは誰かに抱き締められた。