「なぁ、この観覧車が降りるまで
お前を好きでいていいか?」
俺に残された時間
30分
「………いいよ」
断れない性格を知って
こんなお願いをするなんてひどいな、俺。
「今日は楽しかった。
東雲も………楽しめた?」
「………うんっ」
「修旅の時、あんなことしちゃったからさ……、今日のデートは俺の罪滅ぼしなんだ…」
そう、これが
遊園地を選んだ理由。
「そうだったんだ…」
「あの時は、俺、恋がまだよくわかんなかった」
人を好きになって
その人がほしくて
それを、その感情をぶつけてるだけだった。
東雲が仙崎と離れればいい
そう思ってた。
でも、違った。
東雲が仙崎に近づかなくなって
俺には喜びなんて感情はなかった。
あったのは
後悔と申し訳ないと思う気持ち。

